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最後のお出かけ 

小学校低学年の頃の話だ。
とある休日、その日父は朝早くから出かけていて家にいなかった。
母と姉と私の三人で朝ごはんを食べた後、母が急に思いついたように「午後からデパートへ行こう」と言いだした。
姉は大喜びでとても乗り気だったけど、私は何かいやな予感がして気が進まない。だけど結局出かけることになってしまった。

デパートの子供服売り場で、母はいつになくとても気前良くあれこれ買ってくれようとする。姉は何の疑問も持たずに、素直にそれに甘えている。
お姉ちゃん気付かないの? お母さん、どっか行っちゃう気だよ?
うん、間違いない。最初からそう思ってた。母は私たちに最後の贅沢をさせてから、どこかへ行ってしまう気なのだ。
姉はブラウスにスカートにワンピースなど他にもいろいろ買ってもらっていたが、私は「いらない、それもいらない」と断り続け、結局ブラウスとスカート一着ずつだけ買ってもらった。

買い物のあと喫茶店へ行ったら、母はやはりやたら高いものを勧める。
姉は母が勧めた豪華なフルーツパフェをオーダーしたが、私はそれも拒否し、クリームソーダにしといた。
母は「なんで今日はそんなに遠慮するの?」と不思議そうに言うけれど、とぼけたって私知ってるもん。
だけどこれだけしたんだから、母も心残りで出て行くのをやめてくれるはず。
それにしてもお姉ちゃんったら、まったく能天気だなあ。母の異変になぜ気付かないかなあ。

それから何日経っても何年経っても、母が出て行く様子はビタ一なかった。
ああ、損したなあ。
[2007/09/09 23:30] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

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