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落ち葉 

紅葉も、そろそろ終わり。
落ち葉を踏みながら歩いていると、子どもの頃の記憶がよみがえってきた。

あれは小学6年生の初冬。
卒業を前に、クラスで文集を作ろうということになった。課題は自由。将来の夢や自分の趣味に関すること、どんな中学生活を送りたいかなど、各々が好きなように書いて、夢と希望がいっぱいの文集に仕上げるのだ。
まずはクラスのみんなで話し合って文集のタイトルを決めようということになり、議長を務める学級委員のケンジくんとクラスで一番の優等生のナオコちゃんから案が出た。
それぞれが出した案は「落ち葉」と「枯れ葉」。
校庭の隅に積もる落ち葉で遊ぶのが流行ってたからだと思うんだけど、「枯れ葉」て。「落ち葉」ってのもどうかと思うよ。だって私たちはこれからどんどん伸びていく若葉じゃんか。先生、そこを突っ込んでよ。
ちらりと先生を見ると、ただニコニコ笑って成り行きを見守っている。
「では、多数決で決めます! どちらかいいと思うほうに手を上げてください!」
ケンジくんの声が上がり、他の案が出るのを待たずに多数決をとることに。
私と幾人かは挙手しなかったが「落ち葉」と「枯れ葉」でほぼ同数。僅差で「落ち葉」に決まった。きっとみんなどうでもいいやと思ってるんだ。
「では、文集のタイトルは『落ち葉』に決定しました!」
ケンジくんは得意気な顔で言った。

その文集に、私がどんな作文を書いたのかは覚えていない。出来上がった文集がどんなものだったのかも覚えていない。そんなセンスのないタイトルの文集なんて出来上がらなかったのかもしれない。もしかしたら、嫌だと思うあまりに私が記憶から除外しちゃってるのかもしれない。
ただ、自分の意見をはっきり言えなかったことを、少しだけ悔いているんだ。
[2007/12/03 07:44] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

目印 

中学生の頃、隣町の伯母の家へ一人で行くことになった。
何度か家族と一緒に車で来たことがあるからたぶん分かるはず。バス停から歩いて10分。伯母の家の近くには大きなスーパーがあったから、それが目印だ。
ところがバスの停留所を1つ間違えて降りてしまった。
仕方がない、歩こうか。遠くに目印のスーパーの看板が見えるから、それを目指して歩けば間違いなくたどりつく。スーパーの方角を見据えて、私はできるだけ最短コースで行こうと、バス通りから外れて裏の通りから路地へ入った。
全く知らない道を歩いていると少し心細くなってきた。こんな細い道、大丈夫かな。だけどスーパーの看板は徐々に大きく見えてきている。もう近いぞ。やがて高架にさしかかり、車の往来の激しい道へ出た。
やっと大きな通りに出て一安心。だけどおかしいな、歩いてるの私だけだよ。車がビュンビュン走ってて怖い。前方の脇に細い階段が見えたので、そこを降りた。
また細い道になったけど、いよいよスーパーの看板に近くなってきた。そこの角を曲がれば、あのスーパーが見えるはず。
そしてついに曲がり角。そこに見えたのは、そのスーパーの社員寮だった。

ここは、どこ?
[2007/11/28 08:00] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

写生 

前の職場で、休憩中に後輩ウメキ君が窓の外を見ながら何か描いていた。そういえばウメキ君は絵が得意だったな。窓の外に何か興味を引くものでもあったのだろうか。
「なに写生してんの~?」
後ろからそっと近づいて、彼の手元を覗き込んで訊いた。
ふいをつかれてウメキ君は驚いた表情で振り向き、顔を真っ赤にして
「なっなに言ってんですかー! ふつういきなりそんなこと言います!? 職場でそんなバカなこと…!」

「スケッチ」って言えばよかったのかな。
[2007/10/24 23:09] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

はじめての社交辞令 

小学校5年生のとき、同級生のノリちゃんが転校した。
「ぜったい遊びに来てね!」
ノリちゃんはそう言って、隣町へ引っ越していった。
隣町といっても、地図上では隣接しているけれど間に山があるのでかなり迂回して行くことになる。バスに乗って40分、電車に乗り換えて30分。小学生の私にはかなり遠い場所だ。なかなか気軽に行ける距離じゃないよ。

一ヵ月後、ノリちゃんから近況を知らせる手紙が届いた。そこにも「今度遊びに来てね! ぜったいね! いつ頃なら来れるかな?」と書いてある。
ノリちゃんとはそれほど仲が良かったってほどじゃなかったんだけど、いやむしろどちらかといえば苦手な子だったんだけどな。でもせっかく誘ってくれてるんだから無下にはできないよ。
私は一大決心をして、ノリちゃんちへ遊びに行くことにした。親友のエミちゃんを誘って。

ノリちゃんちへ着くと、ノリちゃんとお母さんが出迎えてくれた。
ノリちゃんはお母さんに少し困ったように告げた。
「コンちゃんたちがどうしても遊びに来たいって言うから…」


あの「やられた感」は、今でも忘れられない。
[2007/10/10 22:11] 思い出 | トラックバック(1) このエントリーを含むはてなブックマーク

悪気がない人 

昔バイトしてた喫茶店の近所にあったパン屋のおじさんは、客がパンをレジに持っていくといつも「これだけですか?」って訊いてた。たぶん「以上でよろしいですか?」っていう意味だと思うんだけど。
3つくらい買ったときは何とも思わなかったけど、パン1つだけをレジに持っていって「これだけですか?」って言われると、すごい肩身が狭い思いがしたなあ。一度ちょっとムッとして「はい、これだけです」って皮肉を言ってみたんだけど、全然通じなかったっぽい。ああ、私ってひねくれてんだー、素直にならなきゃなーって思ったね。あ、でもこの場合は言葉通りに受け取るとやっぱり複雑な気持ちになるなあ。
[2007/09/30 20:08] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

私の十字架 

子どもの頃、母から衝撃的な話を聞かされた。
「あなたが生まれたときはね、逆子でたいへんだったんよ」

逆子。「逆の子」と書いて逆子。
なんだかよくわからないけど、きっと「呪われし運命の子」みたいなやつだ。大きな大きな十字架を背負ってる感じなんだよ。

「実は私、逆子だったんよ…」
十字架の重さに耐えかねた私は、ある日思い切って友達数人に打ちあけた。
「あっ、私も!」
「私も逆子よー」

呪われし運命の子は、意外と多かった。
[2007/09/18 21:20] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

臭いの発生源 

一時期、脂足気味で足がすごい臭かったことがある。朝は全然におわないんだけど、夕方になったら臭いのなんの。気の弱い人が嗅いだら死に至るんじゃねえかってくらいの臭さ。
そんな私にも彼氏がいて、私は「足が臭い」という事実を死に物狂いで隠そうと、それはそれは涙ぐましい努力をしてたのだった。
ある日の夕方、バイト先に迎えに来てくれた彼の車に乗り込んだ。
ああ、今日はずっと立ちっぱなして疲れたなあ…。足が痛かったので、靴を脱いでくつろいでしまった。一瞬の油断。
しばらく走っていると、車内に異臭がたちこめてきた。むむ、今日は一段と臭い。やばい、彼が怪訝な顔をしているぞ。
「ちょっとゴメン」
彼はそう言うと路肩に駐車し、
「なんかゴムの焼ける臭いがするよね? ちょっと待ってて」
心配顔で車を降りると、タイヤ周りやエンジンルームの点検をはじめた。

ごめんなさい、犯人は私です。
[2007/09/17 22:55] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

最後のお出かけ 

小学校低学年の頃の話だ。
とある休日、その日父は朝早くから出かけていて家にいなかった。
母と姉と私の三人で朝ごはんを食べた後、母が急に思いついたように「午後からデパートへ行こう」と言いだした。
姉は大喜びでとても乗り気だったけど、私は何かいやな予感がして気が進まない。だけど結局出かけることになってしまった。

デパートの子供服売り場で、母はいつになくとても気前良くあれこれ買ってくれようとする。姉は何の疑問も持たずに、素直にそれに甘えている。
お姉ちゃん気付かないの? お母さん、どっか行っちゃう気だよ?
うん、間違いない。最初からそう思ってた。母は私たちに最後の贅沢をさせてから、どこかへ行ってしまう気なのだ。
姉はブラウスにスカートにワンピースなど他にもいろいろ買ってもらっていたが、私は「いらない、それもいらない」と断り続け、結局ブラウスとスカート一着ずつだけ買ってもらった。

買い物のあと喫茶店へ行ったら、母はやはりやたら高いものを勧める。
姉は母が勧めた豪華なフルーツパフェをオーダーしたが、私はそれも拒否し、クリームソーダにしといた。
母は「なんで今日はそんなに遠慮するの?」と不思議そうに言うけれど、とぼけたって私知ってるもん。
だけどこれだけしたんだから、母も心残りで出て行くのをやめてくれるはず。
それにしてもお姉ちゃんったら、まったく能天気だなあ。母の異変になぜ気付かないかなあ。

それから何日経っても何年経っても、母が出て行く様子はビタ一なかった。
ああ、損したなあ。
[2007/09/09 23:30] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

体調不良 

高校生の頃、体調に異変を感じて人知れず悩んでたんだけど、もし悪い病気だったら大変だと思い、保健室の田中先生に相談した。

「なぜか全然お腹が空かないんです」

「ご飯はちゃんと食べてるの?」

「はい、三食ちゃんと食べてます。あ、学校から帰ってからおやつにお好み焼きとかオムライスとか食べたりするから、四食ですね」

「充分足りてるんだと思うよ」


解決した。
[2007/09/06 20:46] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク

お料理ごっこ 

小学6年生の頃の話だ。
両親の留守中に、姉と一緒に料理を作ることにした。晩ご飯の用意をして、父と母を驚かせよう!
冷蔵庫の中には牛肉と豚肉のコマ切れがある。何を作ろうか? だけどふたりには料理のレパートリーも腕もそんなにあるわけでもない。野菜があるから一緒に炒めようということになった。
お肉を炒めて野菜も炒めて、味付けはどうしよう。ウスターソースがあるからそれで味付けだ。きっとおいしいよ!
夕方、両親が帰ってきたので作った料理を披露した。
「こっちが牛肉の野菜炒め。こっちは豚肉の野菜炒め!」
母が驚いたように「あらっ!? お肉全部使ったの?」って言ったけど、そのあと父も母も「おいしいね、おいしいね」と食べてくれた。

その時は両親が喜んでくれて姉も私も大満足だったんだけど、ずっと後になって気付いた。
本当はお母さん、私たちが全部お肉使っちゃってがっかりしたんだろうな。あの日、晩のおかずは何にするつもりだったのかなあ。
[2007/09/02 21:53] 思い出 | トラックバック(0) このエントリーを含むはてなブックマーク
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